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OSAKA JPEST. 2020
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Case StudyPASS COFFEE

気分と好みで選ぶコーヒー診断

課題
スペシャルティコーヒーは種類が多く、初めての人ほど選べません。そのうえ、自分の好みを「酸味」「甘み」といった言葉で言える人は多くありません。
解決
気分や好みを3つまでチェックすると、在庫のある候補の中からAIのJevが豆の商品説明と照らして一杯を選ぶ診断にしました。苦手な味を外す判断と、AIが答えられないときの選び方は、プログラムで決めています。
気分と好みで選ぶコーヒー診断

コーヒーを選ぶとき、「酸味は控えめで、甘みはしっかり」と言える人は多くありません。「午後にひと息つきたい」「焼き菓子と一緒に飲みたい」のほうが、ずっと答えやすいはずです。PASS COFFEEのコーヒー診断をその答えやすさから作り直しました。

Approach

当てはまるものを3つまで選ぶと、在庫のある候補から、AIが豆の説明と照らして一杯を選ぶ。

  • 項目は「時間・場面」「気分」「一緒に」「飲み方・好み」の4つのまとまりに、あわせて24個あります。利用者はそこから3つまで選びます
  • 在庫のある候補が2つ以上あるときは、選んだ項目と候補の豆それぞれの商品説明をJevというAIに渡し、いちばん合う豆を1つ選ばせます。候補が1つだけならその豆を出し、AIには聞きません。今回は決めておいた選択肢の中から答えを返す使い方をしています
  • 結果にはどの項目から選んだかと、酸味・甘み・香りの目安を出します。利用者は容量と挽き方を選んで、そのままカートに入れられます
  • 入口はナビとトップのバナーに加えて人気商品の一覧の上にも置きました
スマートフォンで開いたコーヒー診断のチェックリスト。項目が並び、下に選んだ数と「この内容で探す」ボタンが固定されている
スマートフォンでは項目だけがスクロールし、選んだ数と「この内容で探す」ボタンは下に固定されます。

設計判断

コーヒーに詳しくない人のために、味ではなく気分や場面で選んでもらう。

  • PASS COFFEEが届けたいのはコーヒーに詳しい人よりも、日常の中で気軽にコーヒーを楽しみたい人です
  • そうした人に「酸味は5段階でどのくらいがいいですか」と聞いても、答えに迷います。味の言葉を知らなくても答えられるように項目は、「午後のひと休み」「ほっとしたい」「焼き菓子と一緒に」のような気分や場面を中心にしました
  • 抽象的な項目と豆の味を結びつける作業は、利用者ではなくAIが受け持ちます。項目と豆の説明を照らし合わせるところをAIに任せています
  • 選べる数を3つまでにしたのも同じ理由です。いくつでも選べる形は気軽に試したい人にとって負担になります

設計判断

最初は、ことばで聞く形を試して、やめた。

  • 当初の計画では利用者が自由に書いたことば(たとえば「甘すぎないのがいい」)をAIに読ませ、好みの条件に直すつもりでした
  • 採用する前に日本語の言い回し30通りをそれぞれ3回ずつAIに読ませて確かめました。応答は速く費用も1回あたり約0.0001ドルでした。酸味・甘み・香りの軸ごとに見た希望の読み取りも、9割は合っていました
  • 一方で、あらかじめ「これが出たら採用しない」と決めておいた誤りが26件見つかりました。たとえばAIは「甘すぎないのがいい」を「甘みはいちばん控えめに」と読みました。程度をぼかした言い方を、言っていない条件に置き換えてしまいます。しかもAIはその答えに高い確信を付けていたので、確信の低い答えだけを止める仕組みでは防げません
  • 速さや費用が基準を満たしていても、利用者が言っていない条件で豆を選んでしまう誤りは出せないと判断し、採用を見送りました。そこでことばで聞くのをやめて選んでもらう形にしました

設計判断

AIに任せたのは、ことばの解釈ではなく、商品説明との照合。

  • 項目を1つずつ豆の説明と一緒に渡して試すと、Jevは説明に書かれた相性や場面をほとんど迷わずに当てました。たとえば「朝ごはん・トーストと一緒に」には、説明に「シンプルな朝ごはんのお供に」と書いてあるグアテマラを選びます
  • 反対に「雨の日」「和菓子」のように説明に書かれていない項目では、答えが当てずっぽうになりました。こうした項目はチェックリストから外し説明に根拠がある項目だけを残しています
診断の結果画面。選んだ項目、コーヒー豆 グアテマラ、酸味・甘み・香りの目安、こんな時に、容量と挽き方の選択
結果画面。どの項目から選んだかを上に出し、容量と挽き方を選んでそのままカートに入れられます。

設計判断

外してはいけない判断と、AIが答えられないときの結果は、AIに任せない。

  • 「酸味は苦手」を選んだ人には酸味の強い豆をAIに聞く前に候補から外しています。AIが選び間違えても、苦手な豆が結果に出ることはありません
  • 在庫のない豆もはじめから候補に入れません
  • AIが答えられないときや答えが遅れたときは、残っている候補からあらかじめ決めた順番で豆を選びます。利用者が結果を待ち続けることはありません
  • 売り切れなどで候補が1つも残らないときは、無理に豆を出さず、いまご提案できる商品が無いことを表示します
  • AIの答えに確信がないときはお店がいま薦めたい豆に寄せます。寄せたかどうかは記録に残して後から確かめられるようにしました
PASS COFFEEのトップページ。人気商品の一覧の上に「どれを選ぶか迷ったら、コーヒー診断へ」という入口がある
トップの人気商品の上に置いた入口。迷ったときに、そこから診断を始められます。

Measurement

どの組み合わせから、どの豆が出て、カートに入ったかまで追えるようにした。

  • 診断を開いた、結果が出た、カートに入った、の3つの動きをShopifyのカスタマーイベントを通してGA4に送っています
  • 選んだ項目は「時間・場面」「気分」「一緒に」「飲み方・好み」のまとまりごとに分けて送ります。GA4は1つの値に100文字までしか入らず、24項目をそのままつなげると最大160文字になって切れてしまうからです
  • 結果の豆、AIが選んだか決めた順番で選んだか、AIの確信、待ち時間も一緒に送り、GA4のカスタムディメンション(レポートを分けて見るための切り口)に登録しました。どの組み合わせからどの豆が出てカートに入ったかをレポートで分けて見られます
  • 送るのは決まった項目のIDだけで利用者が書いた文章や個人情報は送りません
  • 公開した直後に本番で診断を通し3つの動きがGA4に届いていることを確かめました

公開前の確認

24項目

時間・場面、気分、一緒に、飲み方・好みのチェック項目

3つまで

気軽に試せる数に絞る

126回中126回

選べる数を3つに絞る前の確認(42通り×3回)で、AIが形式どおりの答えを返した回数

PASS COFFEE の事例を見る→

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