広告でいちばんカートに入る商品が、売上には出てこなかった——どこに反応が集まっているかを見る
広告の結果は、たいてい二つの数字で届く
いくら使って、いくら売れたか。広告の報告はこの二つが並ぶところから始まります。前の月と比べて増えたか減ったかもたいてい添えてあります。
この二つを見ればうまくいったかどうかは判断できます。ただ、次に何を変えればいいかまでは出てきません。合計は起きたことの結果で、どこに反応が集まったかは含まれていないからです。
弊社が伴走しているストアでも届く形は同じでした。広告は毎月調整をします。ただ、そのとき見ている材料は広告の管理画面の中にあって合計にまとめた時点で落ちます。
商品ごとに分けたら、いちばん反応のある商品が売上に出てこなかった
そこで、合計の先を商品ごとに分けました。広告を見てカートに入れられた商品と、実際に売れた商品を横に並べました。商品ごとに突き合わせられる形にしたのは、その前の作業でした。
先に断っておくとこの二つは出どころが別です。カートに入れられた数はアクセス解析の管理画面から、売れた数はストアの注文情報から取っています。
カートに入れられた数の多い順に並べると、いちばん上の商品に54%が集まっていました。広告経由の反応の半分以上がひとつの商品に寄っています。
でもその商品は売上には出てきませんでした。
合計だけを見ているかぎりこの商品は目に入りません。売れた金額を足していく見方には、売上になっていない商品を置く場所がないからです。
送料のせいだと思っていたが、外れた
このストアの商品には容量の選択肢があります。そこもさらに分けました。カートに入れられた数は小さいほうと大きいほうでほぼ同じでした。
カート落ちする理由にはもともと見当を付けていました。このストアでは送料は一律なので、商品代に対する負担は小さいほうが重くなります。送料の比重が高いほど手が止まる、という見方です。
送料の負担が重いから止まるのなら、大きいほうは差が出るはずでしたが、どちらの容量も売上には出てきませんでした。
送料が一律ということは買う人が払う額はどちらも同じです。消えたのは「比率が高いとカートで止まる」で「送料そのものが初めての人には重い」という可能性は残っています。

分けて見られたのは、その前に測り方を決めていたから
商品ごとに並べて比べられたのは、事前の設計があったからです。何を成果として数えるか、単位を何で揃えるか、どこまでを広告経由と呼ぶか。ここが決まっていなければ分けても比べられません。
カートに入れられた数と売上も同じ理由で結べていません。片方はアクセス解析、もう片方はストアの注文情報で同じ人を追う作りになっていないからです。だから「カートに入れた人が買わなかった」で結論を出すことはできません。ここも測り方の話で同じ人を追える形にすれば次はその先まで見られます。
広告で次に打てる手は出し方や分析の細かさよりもこの手前の準備や設計で決まります。
いちばん反応が集まっている商品はどれでそれは売上になっているか。今回はその問いから次の施策を打つことができました。この数字に気づかず使った額と売れた額の合計を見ているかぎり、この二つは出てきません。